深澤英隆著『啓蒙と霊性--近代宗教言説の生成と変容』
深澤英隆著『啓蒙と霊性--近代宗教言説の生成と変容』を落手いたしました。
私は、現代人が(少々無理をして)宗教における制度的なものを切り下げて体験的なものを称揚する現象(『スピリチュアリティ』を語るというのもそれですね)に興味を持って調べているのですが、本書は、これを、思想史的に手堅く吟味されたものです。
宗教が近代諸制度を生み出すきっかけとなりつつ、近代の諸制度の外部に置かれた諸事情は、『宗教』概念の成立と関連して多くの研究者が注意しているところです。近代科学の展開は、宗教的真理として信じられてきたものの多くを説明して見せたわけですが、その一方、公害や環境問題や倫理をめぐる問題で近代科学の限界も指摘されています。
著者の深澤氏は、主としてドイツ語圏と英語圏における議論をフォローして、近代の知識人がこの問題をどのように扱ってきたかを述べたものと、まずはお見受けしました。
信仰をもった知識人が、近代のただ中にあって、批判や懐疑に身を置きながら、その「真理」をどのように受け止め、近代に対しても向き合っていくかというのは大きな問題です。
これからじっくり読ませていただきますが、まずはご紹介まで。追って詳細なコメントをさせていただきます。
なお、表紙が美しいです。
(岩波書店、2006年5月25日)
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